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実用新案の対象となるのは、物の形状、構造、組み合わせです。
機械も物ですから当然に実用新案の対象となります。
具体的には、以下のようなものです。
(例1)実用新案登録第2586565号
「レーザー溶接加工装置」
詳細はこちら→例1
(例2)実用新案登録第2549354号
「建設機械」
詳細はこちら→例2
(例3)実用新案登録第2540245号
「工作機械用ベッド」
詳細はこちら→例3
(例4)実用新案登録第2606868号
「建設機械の作業機油圧回路」
詳細はこちら→例4
(例5)実用新案登録第2558075号
「巻きおしぼり製造装置」
詳細はこちら→例5
実用新案権、意匠権との違い(日用品のアイデアを保護する手段−特許権、実用新案権、意匠権) |
ところで、機械のアイデアを保護する手段としては、特許権、実用新案権、および意匠権があります。
特許権、実用新案権、および意匠権も、知的活動の結果、新しく作り出した物(創作物)に与えられます。いずれも、特許庁に対して出願をし、登録されることによって、権利が付与されます。
特許権は、「技術のアイデア」を保護の対象にしており、非常に強い独占的な権利になっています。
実用新案権も、特許権と同様、「技術のアイデア」を保護の対象としていますが、
@保護の対象が「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」に限られる点、
(特許権の保護対象は、「物品の形状、構造又は組合せに係る発明」に限定されず、方法にも及ぶ)
A審査を行わずに登録されるため(無審査登録)、権利の安定性が低い点、
すなわち、
実用新案権は、実体審査を行わず発生する権利であるため、実用新案権に基づく差止や損害賠償の請求を行うためには、登録後に特許庁から取得した実用新案権の有効性判断を示す「実用新案技術評価書」を、請求相手方に提示する必要があり、「技術評価」が低い場合には、実用新案権を取得しても実質的に権利行使ができない点、
(特許権は、実体審査がなされて発生する権利であるため、差止請求権や損害賠償請求権の行使において、同様の制限はない)
B権利存続期間が、10年と短くなっている点(特許権は、出願から20年)、
において、特許権と異なっています。
また、意匠権は、「物品のデザイン」、すなわち、機械であれば、機械のデザインを保護の対象としています。したがって、内部の構造が一緒であっても、外観が異なれば、別の意匠権が発生する可能性があります。
特許権、実用新案権、および意匠権のうち、いずれの権利でアイデアを保護していくかは、個別具体的なアイデアを判断しながら決定することになりますが、比較的保護期間が短くてもよい機械の構造は、実用新案による保護でもよいといえます。
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